Diorの来季春夏はインクルーシブな庭園から

【高級ファッション報道】 クリスチャン ディオール(DIOR.PA)は、令和元年九月二十四日に仏・パリにて『二〇二〇春夏プレタポルテ コレクション』を発表。今季は競馬場内に特設会場を造った。“インクルーシブな庭園”に見立てたショー会場の舞台装飾は植物学者、園芸家、都市のランドスケープ デザインに携わるアーティスト集団「アトリエ コロコ」と共に造った。


今季のインスピレーション源は、庭園で花々に囲まれ情熱を見せるカトリーヌ・ディオール(丁巳)、クリスチャン・ディオール(乙巳)の末の妹の写真。カトリーヌはディオールの歴史における重要な人物。類い希な決断力と個性溢れる勇敢なヒロイン「ミス・ディオール」とは彼女の事。その呼び名から名付けられた最初のフレグランスはメゾンの象徴となった。


カトリーヌはディオール家の庭園を大切に手入れしていた。真の、最も深い意味での庭師であり、自由で自立した女性で、自然の息吹や季節の移り変わりと調和する生活を送っていた。今季のコレクションに登場するモチーフやエンブロイダリ、ラフィアの輝きと質感によって植物の生い茂るイマジネーションの世界を想起させ、そこに生息する植物種の記録を植物標本の様に紹介している。


環境デザインを行うアーティストである「アトリエ コロコ」はショーを時が止まった瞬間と捉え、そこに原産地の異なる植物を一時的に集めた。これらの木々はショーの間だけパリ「ロンシャン競馬場」に存在しその役目を終えると、三つの長期プロジェクトに参加し、この多次元的な庭園の生命を生かし続ける。単なる舞台装飾に止まらない、この刹那的な風景が告げるのは、植物種の多様性に富む木立や木々のある空間を創造し、強化する事。各々が美しい自然とその未来を育み、守る事ができるという事を象徴している。


写真:クリスチャン ディオール㈱

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