【社会論説】 弁護士は社会正義を実現しているのだろうか。
「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現する事を使命とします(弁護士法一条一項)。」
先ず、弁護士は値段が高い。
こういった印象をもっている市民は多いのではないだろうか。値段が低い庶民的な弁護士もいるだろうが、現状では探し様がない。これは社会正義に反しないか。
次いで弁護士との契約は一方的。
東京弁護士会(会長:篠塚力)は着手金額や報酬金額は自由と言う。自由だろうか。着手金と報酬金は一般的と同弁護士会は言い張るが、欧米では報酬金だけでも請け負ってくれる。弁護士会が契約自由の原則を否定している。何故なら、同弁護士会は「東弁書式 書式五ー一」という受任契約書(主に刑事事件)を用意し、留置所等から一方的に説明をしてサインと拇印をさせている。
他に弁護士を雇える資力のある人は交渉できるだろうが、資力の乏しい人は当番弁護士しかない。留置所等にいる事もあり、精神的に疲弊しており、金額の交渉をできる余裕はないだろう。これは社会正義なのか。少なくとも、着手金・報酬金の料金体型を押し付けている以上、社会正義ではない。
同弁護士会によれば、着手金は二十万円(留置所段階)、三十万円(拘置所段階)が基準で、報酬金は三十万円が基準。この金額は一般的だろうか。一般の家庭からみれば、異常な程に高額だ。一般的ではない。
事実、弁護士との報酬で問題が発生すると、「紛議調停手続」があり、記事「弁護士の報酬を巡る紛争(法苑百八十六号)/新日本法規出版」にて、
報酬に関する合意があっても、弁護士と依頼者間での弁護士報酬を巡る紛争は絶えません
と十年、報酬問題を扱っている紛議調停委員会の委員が言う。明らかに社会正義から逸脱している結果だ。
そして、この同弁護士会が用意している受任契約書には「甲は乙より、東京弁護士会刑事弁護人推薦運営細則第十二条の基準額について説明を受けた上で、甲と乙とは、次に通り契約する。」とある。“東京弁護士会 刑事弁護人 推薦運営細則 第十二条”が何かを甲と乙が知っている前提である。同弁護士会に問い合わせをし、本運営細則の第十二条を聞くと、「公開をしていない。」と答えた。公開してない、詰まり依頼人が契約の条件を確認できないにも関わらず、契約を迫っている。
これは異常だ。
不動産業や金融業では「重要事項 説明義務 違反」がある。同弁護士会は契約する上で重要な本運営細則を後で依頼者が確認できない様にしている。口頭で第十二条を聞いたが、同弁護士会は言い訳を重ね、答えなかった。理由も「答える立場にない。」と、同弁護士会自身が用意した書式の責任を放棄した。これは社会正義か。
この点については、改定の予定もある模様。
各地の弁護士会の上位組織とみられる日本弁護士連合会(会長:菊池裕太郎)に、本件を問うと、「答える立場にない。答える必要はない。」と喧嘩腰の姿勢で社会人としてのモラルそのものを問うレベルであった。各弁護士会と日弁連との関係性を聞いても、曖昧にし、各弁護士会の事に関する責任を負う姿勢はまるで見受けられなかった。
二〇一九年度 会務執行方針内、「第十三 弁護士自治を堅持する方策等」では、弁護士の不祥事対策の一環として下記を掲げている。
弁護士会の市民窓口及び紛議調停の機能強化、懲戒制度の運用面での工夫(会請求や事前公表等)など、実務面の対策を推進するとともに、会員への支援策(メンタルヘルスカウンセリングや会員サポート窓口等)の充実を図ります
優れた弁護士もいる。だが、社会正義の実現を使命とする者は、日本の弁護士には少ない事は東京弁護士会や日弁連を見れば火を見るよりも明らか。
その程度の彼らが市民の人権を声高に唱える事に違和感を覚える。
先ずは、市民が弁護士を社会正義の人と思える様な言動・行動をするべきだ。
弁護士は信用を失墜させているので、大いに反省し、信用回復までは未来の日本の為に研鑽されたい。
写真:篠塚・野田法律事務所、会長からのご挨拶/日本弁護士連合会
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