狙われる中小企業、サイバ攻撃の最前線

【ビジネス報道】 経産省(大臣:梶山弘志)は、令和二年六月十二日に第六回『営業秘密官民フォーラム』を開催した。同フォーラムでは、官民の実務者間において、営業秘密の漏えいに関する最新手口や対応策に係る情報交換を行った。同日には、「昨今の産業を巡るサイバーセキュリティに係る状況の認識と、今後の取組の方向性について」の報告書を取りまとめた。


産業界から経団会等の十二団体、支援組織からは日本サイバー犯罪対策センター等の八団体、行政からは内閣官房等の九組織。


 フォーラムでは「営業秘密保護・活用に関する最近の動き」「サイバーセキュリティ対策について」「営業秘密・知財戦略相談窓口の活動状況」「在外日系中堅・中小企業を対象とした営業秘密管理体制整備支援事業」を報告。


渉外事案の適用関係の概要と民事訴訟における考えられる主張ポイント集」や「テレワーク時における秘密情報管理のポイント」等を同省が公表してきた。一月には「情報セキュリティ 十大脅威 二〇二〇/情報処理推進機構(IPA)」を公開。組織向け驚異の一位は標的型攻撃による機密情報の窃取、二位は内部不正による情報漏えいであった。


 同日発表の報告書では、昨年度に一千六十四社の中小企業が実証事業に参加。実証期間中に九百十件のアラートが発生。こちらのサイバ攻撃による昨今の被害の特徴では「標的型攻撃の更なる高度化」「サプライチェーンの弱点への攻撃」「不正ログイン被害の継続的な発生」の三つを挙げた。“重大な事案の可能性あり”と判断し、対処を行った件数は百二十八件あり、対処を怠った場合の被害想定額が五千万円近くになる事案もあった。


本報告書では、以下の三点を責任を果たす為に企業が取るべきアクションと提示した。

  1. サプライチェーン共有主体間での高密度な情報共有
  2. 機微技術情報の流出懸念時の経済産業省への報告
  3. 適切な場合における(事案の)公表

=相談窓口=

営業秘密:(独)工業所有権情報・研修館、IPA情報セキュリティ安心相談窓口


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