爆進共産、東京で三人目の三十代が当選すれば安倍政権を脅かす

【政治考察】 平成二十八年七月十日、安倍政権に大きなジャッジ(審判)が国民より下される。自民・公明を脅かす者は民進党ではなく、後六年で百年のキャリアをもつ共産党だ。昨今の共産爆進で、報道現在、第二野党の座まで上った。ターゲットを非正規のシニアと主婦、二十代の社会人、学生に定めた事により、効果的なマーケティング及びブランディングが奏功した。


六月五日に国会前で新安保法制の廃止に関するデモが行われ、主催者発表で四万人が集まった。主催は、学生団体のシールズと学者らの団体「市民連合」と「戦争させない・九条壊すな!総がかり行動実行委員会」。同系のデモは定期的に開催され、デモ開催地の周囲ではしんぶん赤旗(共産党の機関紙)が度々、配布される。


昨今の共産爆進の要は東京だ。前回の「参院選二〇一三(夏)」において、当時三十歳だった吉良佳子が東京選挙区第三位で当選した。この時より、党員・党勢が急角度で上昇。何故ならば、五議席の東京選挙区で最高位の順位となったからだ。戦術は、TwとYTを駆使し奏功た。同時に無所属であった山本太郎も第四位で初当選。第五位は、自民重鎮・武見敬三。三十代の新人二名に票数で劣った。落選の第六位は当時民主・鈴木寛。元文科副大臣は、負けて政界を去った。




<東京共産は若さが前面に>

 翌「衆院選二〇一四(冬)」では、吉良の盟友である池内沙織、三十一歳を小選挙区の東京十二区(北区、一部足立区)へ投入。四万五千票と獲得し、二十㌫を超える得票率であったが落選。しかし比例代表・東京ブロックに重複立候補していた為、八十八万六千票(得票率は十五㌫)で復活当選。小選挙区では個人名を、比例代表では党名を書く。参院選では、選挙区で個人名、比例代表で党名を書く。



明くる「国会前デモ二〇一五(夏)」では、新安保法制への反対で近年、希にみる大規模デモが起こった。仕掛けたのは、「戦争させない・九条壊すな!総がかり行動実行委員会」だが、シールズと共産党が伝播に貢献し大メディアが大きく取り上げた。これを機に、現在の民共合作が成功した。シールズの代表には、当時二十三歳の一橋大学院生、奥田愛基。露骨に共産党を奥田は支持してないが、共産党のイベントには、奥田の参加が目立つ。




<資料のセンスで差をつける>

 そして『参院選二〇一六(夏)』は、三十一歳の新人弁護士、山添拓を共産党は投入予定。山添は五月にPVを公開。政策資料も同じであるが、色彩や撮り方、編集、レイアウトにセンスが光る。若者が好感触をもてる雰囲気を作っている。公明党も軽やかな色遣いを意識するが、山添陣営のセンスには叶わない。今、最もお洒落なプロモーションを行う政治家であろう。



一方、足元の都議会は民進党を抑え、会派として第一野党。民進党は民主党と維新の党が合併した政党であるが、都議会では未だ会派が異なる。その為に、共産党が第一野党となっている。来年に「都議会選二〇一七(夏)」を控える。現職・舛添要一 都知事への追及次第では、都議会内の共産党の議席が増える率が上がる。




激震地・東京を今年で押さえ込むか

 東京は日本において、最も発信力がある。東京のトレンドは、芸能でも社会でも経済でも政治でも、全国に拡がる。全国展開から局地戦に集中してきた共産党にとって、東京は外せない。安倍政権下で非正規や過重労働が殖えれば、殖える程に共産党が強くなるシステムだ。


共産党の長は、安倍晋三 内閣総理大臣と同年生誕の志位和夫 委員長。通算八期の衆議院議員で、十六年前から共産党の執政だ。後六年後には、結党百周年を迎える。逆算的に党勢の拡大を図り、国会第一野党と与党化けの大願を抱く。先に触れた通り、現状の安倍政権の施策では、共産党拡大の重要なエネルギー源となってしまう。アベノミクスや一億総活躍に漏れた国民が、共産党の支持基盤を形成している。民進党には流れてない。




東京の立候補予定者

 詰まり、安倍政権ないし自民党・公明党の高所得者・富裕層優遇が是正されない限り、共産党は政治に興味がなかった層「ブルーオーシャン」を獲得し続ける事ができる。

ポイントは、東京選挙区から立候補予定の山添の得票数と得票率だ。同区の現職は、民進・蓮舫(四十八)、公明・竹谷とし子(四十六)、自民・中川雅治(六十九)、民進・小川敏夫(六十八)、元気・松田公太(四十七)。対して、元長野県知事の維新・田中康夫(六十)、元女優の改革・高樹沙耶(五十二)、元ビーチバレー日本代表選手の自民・朝日健太郎(四十)と山添らが挑む。報道現在で松田は立候補を未表明。東京都民の得票率十㌫、六十万から七十万票が当落ラインとなる。


撮影:渡辺哲郎(吉良佳子)、齋藤瑠衣(志位和夫)、岡本早百合(池内沙織、奥田愛基)、金剛正臣(山添拓)

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