映画「私の奴隷になりなさい」から四年、亀井亨が描く女同士の禁断『アルビノ』

【芸能ニュース】 鬼才の映画監督・亀井亨(己酉)が描く新たなる禁断の物語、映画『アルビノ/AMGエンタテインメント』が平成二十八年七月二十三日に公開が決定し、先駆けてポスタービジュアルと予告映像が解禁となった。G界が輩出した女優・壇蜜(庚申)主演の映画「私の奴隷になりなさい(二〇一二)/角川映画」で一大センセーションを巻き起こした亀井監督が四年越しに、新たなる挑戦状として発表されたのが今作だ。亀井エロスの新境地がここに誕生する。


主演は、映画「赤い玉、(二〇一五)/渋谷プロダクション」等、大胆な演技で日本映画界に妖艶な光を放つ女優・不二子(庚申)。また真上さつき(乙亥)も体当たりで亀井演出にチャレンジ。GID(性同一性障害)がテーマとなる同作は、ハードでアートでチャーミングな作品になっている模様。女が女を愛するという、その過酷な激情と、奈落への道を冷徹な演出で切り結び、観る者を慄然とさせる壮絶なる性の境地を描く。




<GIDを認知させる作品でもある>

 主役の屋島役を演じた不二子は「脚本を読んだ時から、撮影に入るまで怖かった。監督の思いを体現する屋島になれるのか不安だった。」と話すが、共演した真上については「かわいいと思った。欲望を感じ、守りたいとおもった。」とまるで屋島が乗り移っているかの様なコメントをした。また九役を演じた真上は「あらすじ通り、ドロリとした同性愛者のお話。不二子さんに感情を引き出してもらい、亀井監督に助けてもらい、この様な触れるだけで壊れそうな脆い“九”が出来上がりました。」と語る。更に「劇中で九が屋島にアルファベット型のキャンディーを渡します。そのキャンディーから読み取れる九の心情は胸打たれます。」と映画の内容に触れ、期待をさせるコメントをした。


監督・脚本の亀井は「八年前に書いたGIDの話。今は理解も広まってるが自分の想像力のみのルールの中で生きている人には伝わりにくい話。簡単、簡潔に伝わる事が重宝される昨今、そこでしか生きられない人たちがいる。伝わりにくい感情を作品でより深く伝えたい。 」とGIDに理解が追いついてない人々にも伝えたいと語る。


今は男性同士の愛は様々な映画やドラマにより浸透していってはいるが、女性同士、というものはまだまだ世の中には浸透していないだろう。そんな世の中での同作の公開は、賛否両論もあるだろうが、筆者はこの作品を通してGIDに対しての関心をたくさんの人々に持ってもらいたい。


=ストーリ=

もてあましてた、女であることを。

場末の配管工会社に勤める屋島(不二子)は、「女」である事に違和感を抱えたままの日々を過ごしている。女でいるために男に抱かれたりもしてきたが、足るに至らない。ある日、屋島は仕事である家を訪ねる。そこには、中年の父親(YOSHIHIRO)と若い娘、九(真上さつき)が住んでいる。九の粘ついた視線に戸惑う屋島。配管作業中にチラチラ視線を交わすうち、両者の目線は同じ粘度に発酵していく。やがて、まるでそれが必然であるかのように、二人は触れ合い、激しく求め合うようになっていく。九と体を重ねることで初めて屋島は自分の中の「女」を受け入れることができるようになっていく。しかし、ほどなく屋島は九とその父親の姦淫を目撃してしまう。欲望と嫉妬は、すべてのバランスを崩していく―。


画像提供:2016「アルビノ」製作委員会、AMGエンタテインメント

記者:原田眞吾

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