【財政・教育報道】 アジアのリーダー都市を目論む福岡市(市長:高島宗一郎)は、令和三年二月十六日に本年度『当初予算案』を発表した。一般会計の予算規模は過去最大となる一.一兆円。前年比で一八.八㌫の増。一般会計・特別会計・企業会計の合計は一.九兆円。前年比で十一㌫の増。
過去最大規模の「商工金融資金の融資枠(預託金;二千五百億円)」を確保した。前年比で二百五十三.六㌫増と驚異的。併せて、近年では最大規模の「公共事業費(一般会計;一千億円、全会計;一千七百億円)」を確保した。前年比は、一般会計で三十.七㌫。これは二年度二月補正と本年度の当初予算を合算した「十四ヶ月予算」と呼ばれるもの。
これにより、融資枠(市の預託⾦に⾦融機関の協調融資額を加えた額)は、五千九百億円にまで膨らんだ。一政令指定都市としては、非常に多額。公共事業は前倒し方式。福岡市は企業の資金繰り支援を手厚くし、同時に公共事業をB2G案件を増やす。
<コロナ期でも攻める福岡市>
スローガンは「 とりもどせ元気︕」。以下の三本が主要政策。福岡市は、ピンチをチャンスに生かす考え。
- 「安全・安⼼」な環境づくりと「未来」を育むチャレンジ
- 「経済の元気」と「新しい時代」を創るチャレンジ
- 「都市」と「⾃然」が調和したまちづくりにチャレンジ
一では子育て世代へ手厚くサポートする。以下に養育・教育関連事業を列挙する。詳細は「一歳入歳出予算総括」より。
- プレ コンセプション ケア推進;将来の妊娠の事を考える、卵子が減り始める時期等をライフプランに盛り込む
- 一般不妊治療費 助成
- 特定不妊治療費 助成
- 不育症検査費・治療費助成
- 子ども医療費(通院拡大)
- 母子保健オンライン相談等
- 子ども家庭支援センタ
- 支援対象児童等見守り強化
- 子どもの食と居場所づくり支援
- 生活困窮にある子育て世帯に対する行政サービス利用料 減免
- ひとり親家庭 自立支援 給付金
- 学生への特別 給付金
- GIGAスクールの推進
- オンライン学習の支援
- ジョイント クラス;離島の合同授業
- 教職員のICT指導力向上研修
- スクール カウンセラ等活用
- スクール ソーシャルワーカー活用
- SNSを活用した教育相談体制 構築
- 小・中学校における医療的ケア支援
- 学校生活支援
- 「特別支援学校」高等部の新設
- 校舎及び附帯施設等 整備
- 特別教室空調 整備
- 公立「夜間中学」調査経費
今回は教育関連に絞ったが、ビジネス関連でも「DX支援」や「国際⾦融機能 誘致推進」、「世界と繋がるスタートアップの街」等も盛り込んでいる。また「広報戦略事業の推進」に四.八億円を計上。市のプロモーション費に相当。市政だよりとHPを基本に、TV・新聞・ネットによる動画配信・FB等の多様な広報媒体を効果的に組合わせる。併せて、報道機関への情報提供等によって市政情報や市の魅力を適宜、分かり易く発信する。無料公衆無線LANサービスの充実も図る。
子どもは一律・五百円で診療・診察に
福岡市の貯金である「財政調整基⾦」の残高は、百二十二億円。だが、六月に策定予定の「財政運営プラン」にて市⺠⽣活に必要な⾏政サービスを安定的に提供しつつ、重要施策の推進や新たな課題への対応に必要な財源を確保する。本年度末の一般会計の「市債残高見込み」は増加するものの、全会計の市債残高見込みは着実に減少。
「市税収入」は、コロナ前まで七年連続で過去最高を更新していた。同日、高島市長(甲寅)は記者会見にて「福岡市では、三歳の子どもから中学校卒業まで、一医療機関について五百円で受ける事ができる“ふくおか安心ワンコイン”をスタートさせていきたいと思います。」等と子育て世帯支援の充実を説明した。
尚、本予算を審議する第一回・市議会「定例会」は、三月二十六日まで。
スライド:令和3年度当初予算案の概要/福岡市
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