若者の「政治リテラシ」の高さ

【政治考察】 国政政党の一部でYTにて若者向けの配信を行っている。その品質には疑問を呈する。それは、若者が求めているモノであろうか。ハイムの答えは総論「No」、各論「Yes」。若者・若手は子ども騙しの様なコンテンツを望んでない、と踏み続けている。


厚労省の若者の定義は「十五歳から三十四歳(若年者雇用の定義)」、内閣府では「三十九歳以下(若者意識調査)」にまで伸びる。


ハイムは上図のユーザ層の通り、若者のユーザも主体の片翼。政治報道は人気がある。報道府は若者・若手の代弁を謳っている日本で唯一の報道機関。映像報道である「bizlinTV」でも若者は主体の片翼。報道コンテンツのラインナップを見て頂ければ、報じるコンテンツの品質は常に大手・報道機関以上を狙っている。



<各党の事例>

 例えば、自民党はネットメディア局・今井絵理子(癸亥)次長がレポータに扮し、自党の国会議員達へ質問を投げ掛ける動画を配信している。まだ四月に始まったばかりで、次で漸(ヨウヤ)く三回目。コンテンツの品質は如何だろうか。


確かに映像品質自体は高い。しかし、これは若者が聴きたい、知りたい事なのだろうか。企画自体(主旨)は素晴らしい試みである点は間違いない。ただ、狭く定義しても十五歳から三十四歳の若者は求めているモノとは言い難いだろう。



国民民主党・玉木雄一郎(己酉)代表は、YT「たまきチャンネル」にて最初は街頭レポートを試みた。現在では政治科目の先生の如く、やや難易度の高い時事的な政治情報を配信している。まるで塾の講師の様なスタイルで分かり易い。こちらも素晴らしい試みである。しかし、スパイスが足らなそうだ。動画のラインナップ(サムネ)は週刊誌的な要素が強く、若者が敬遠しそうである。



難易度の高さで言えば、自民党「中央政治大学院」中谷元(丁酉)学院長の「出前講座」と「まなびと夜間塾」。若者の問いに答えるとの観点とは異なるものの、出演者も多彩で法学のみならず、様々な若者・若手が知っておいた方が良い講座を配信している。但し、どこぞの大学のネット授業の様に眠い。内容が優れているだけに、勿体ない。



一方、国政政党ではないが幸福実現党の「言論CH」シリーズは、若者・若手にとって秀逸な動画が多い。大手報道機関が触れないニュースに切り込む。一部、報道府との着眼点が一致しており、ジャーナリズムさえ感じるコンテンツ群だ。上記の例と比べると若者の聴きたい、知りたいに答えていると言えまいか。


若者が知りたい事

 若者の知的欲求、知的ベースを下に見てはいないか。彼らが求めているレベルは中堅・シニアが想像しているよりも上だろう。


主権者教育では二十歳未満の若者が「菅内閣以外ならば、コロナ対応で上手くいったのか」「選択的夫婦別氏制のメリットは何か」等と、行政運営立法根拠を考えていた。特に「政治家が主権者を尊重する為に、どの様な努力をすれば良いか」は秀逸。憲法「九十九条」公務員の憲法尊重 擁護義務についての問いであった。憲法を尊重しようとしない政治家が散見している。国会議員を念頭に、主権者を軽んじているとの思いがあるのかも知れない。


高校生向けの講義では安倍晋三(甲午)前・総理が質問に答えた。「北朝鮮・拉致問題の解決に当たっての弊害」や「支持率低下のリスクがあるにも関わらず、『新・安保法制』等を立法させたメリット」、「コロナ禍における酒類提供の停止要請は(憲法)営業の自由の侵害では」、「現行の(衆院)小選挙区制で少数意見を尊重しているか」等と、外交軍事違憲性選挙制度を聴いた。


今の若者の政治リテラシは国内最高レベル

 中堅・シニアは勘違いをしている。若者時点で世代間比較すれば、令和時代の若者の「政治リテラシ」は中堅・シニアを遥かに凌駕していると断言できる。嘘だと思うなら、逃げ出さずに若者と議論してみれば良い。今の中堅・シニアの知識・経験でも質問に窮する場面が多発するであろう。


彼らの質問は、記者クラブの政治・社会部記者よりも優れていると現場の経験より断ずる。ワイドショー的な、週刊誌的な程度の低い政治部の記者の質問を若者は望んでいない。特に民放の現場の記者は存在意義が最早無い。


若者が政治離れをしているのではなく、程度の低い政治家を冷めて観察しているだけなのだ。これは「政治家離れ」。政治からは離れてない。しかし、真摯に若者の問いに応える政治家ならば、話は別である。


以上は令和時代の端緒に過ぎない。まだまだ彼らの政治リテラシは上がるし、報道府も学びを怠らない。学び続ける若者へ敬意を表して報じ続ける。国政政党及び行政機関の公務員は、肝に命じられたい。彼らは、未来の日本を背負う当事者なのだ。

若手も気を付けられたい。


記事:金剛正臣

画像:FPhime

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