閣議決定『新しい資本主義のグランドデザイン・実行計画(スタートアップ等)』

【政治報道】 岸田内閣は、令和四年六月七日に『骨太の方針 二〇二二』及び『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)~人・技術・スタートアップへの投資の実現~』を閣議決定した。後者は「骨太の方針 二〇二二」の詳細と言える。


防衛力強化につき、「五年以内」等と修正した。他の修正内容は引用を参照。


本年末に、総合的な「資産所得倍増プラン」とスタートアップを五年で十倍にする為の「五ヶ年計画」を策定予定。来年度『当初予算』に間に合わせる。また、既存企業の事業再構築を進める為、債務の減額等を図る『事業再構築法制』を国会へ提出する。


本計画の冒頭の考え方では、以下の様に断じた。

分配はコストではなく、持続可能な成長への投資である

五大重点投資


一,人


(賃金引上げの推進)

  1. 賃上げ税制等;税額控除率を引上げ済み(大:二十%→三十㌫、中小:二十五%→四十㌫)、赤字中小には補助率引上げの「特別枠(ものづくり補助金・持続化補助金)」、政府調達(B2G)にて加点
  2. 中小 下請取引適正化;二十二業種・十万社へ調査
  3. 介護・障害福祉職員、保育士等の公的価格;三㌫引上げ済み。適正水準まで検討


(スキルアップを通じた労働移動の円滑化)

  1. リカレント教育兼業推進・再就職支援;四千億円規模/三年の「施策パッケージ」、百万人が対象。Off-JTの研修費用を倍増以上
  2. R&D助成制度の奨励と若手支援;「ムーンショット型 研究開発制度」や「創発的 研究支援事業」等の改善
  3. デジタル人材育成・専門能力蓄積;現在の百万人⇒年度末までに二十五万人、令和六年度末までに四十五万人/年を育成、同八年度までに計三百三十万人の三倍増へ
  4. 副業・兼業の拡大;「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定。情報開示を企業へ推奨


(「資産所得倍増プラン」の策定)

 NISAの抜本的な改革を検討。iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革や若き世代が資産形成を行い易い環境整備等について検討。高校生や一般へ「金融リテラシ」向上に資する授業やセミナの実施等。四月導入「公的年金シミュレータ」を民間アプリと連携。


(子ども・現役世代・高齢者まで)

  1. こども家庭庁;来年四月に創設
  2. 保育・放課後児童クラブ
  3. 出世払い型奨学金;先ずは大学院から、理工系や農学系女学生へ官民「修学支援プログラム」を創設
  4. 子育て世代の住居費支援
  5. 家庭における介護の負担軽減
  6. 認知症対策充実、介護予防の充実・介護休業の促進等
  7. 健康経営の推進;スコアリング見直し


(多様性の尊重と選択の柔軟性)

  1. 多様性の尊重;同一労働同一賃金制度の徹底。正社員制度の導入拡大(短時間正社員制度、勤務地限定正社員制度、職種・職務限定正社員制度)
  2. 男女間の賃金差異の開示義務化;賃金差異は、男性賃金に対する女性賃金の割合で開示(全労働者、正非分け)。対象は常時雇用が三百一人以上。有価証券報告書の記載事項。七月施行
  3. 女性の就労制約;「百三十万円の壁」の消失。「百六万円の壁」も解消
  4. 勤労者皆保険の実現
  5. 勤務間インターバル・育休促進・転職なき移住等の働き方改革の推進;今秋施行「産後パパ育休」の周知・検証等


(人的資本等の非財務情報の株式市場への開示強化と指針整備)

 「有価証券報告書」に人材育成方針や社内環境整備方針、当該指標・目標の記載を求める。


二,科学技術イノベ


  1. 量子技術;次世代「計算基盤(量子コンピュータ等)」に不可欠な次世代「半導体」の設計・製造能力の確保に向け、日米の官民が連携。「量子コンピュータ」や「量子暗号通信」の実証(エネ・金融・創薬医療・材料化学・航空・モビリティ等)
  2. AI実装;「ディープラーニング」が重要分野。秘匿化情報の機械学習
  3. バイオ技術;「バイオものづくり」「再生・細胞医療・遺伝子治療」「ゲノム医療」「治療薬・ワクチン開発」
  4. 大学教育改革;十兆円規模の大学ファンド。学部再編(政府の投資・経費支援)。女性の在籍・登用状況等の情報開示を促進。高校でも「文理横断教育」を推進
  5. 大阪・関西万博

三,スタートアップ(以下、「S」)


(育成五ヶ年計画)

  1. 公共調達」活用と「SBIR制度」のS支援;B2G。特別枠の設定
  2. VCへ公的資本の投資拡大(海外勢を含む);「産業革新 投資機構」の運用期限を令和三十二年まで延長
  3. 長期運用資金(個人金融資産・GPIF等)のベンチャ投資への循環
  4. 若い人材への支援制度の拡大(優れたアイディア・技術);七十人/年⇒五百人/年
  5. グローバルSキャンパス
  6. 経営者の個人保証不要等(創業時)
  7. IPOプロセスの改革実行と「SPAC(特買目的会社)」の検討
  8. Sのストックオプション等(長期用)
  9. 法人形態;社会的起業家をサポート
  10. フリーランス『取引適正化法制』
  11. 未上場株のセカンダリマーケット;「私設取引システム(PTS)」にて発行済み株式を取引可へ
  12. 海外における起業家育成の拠点創設
  13. 起業家教育;初等中等教育等。専門・大学はAIやディープテック
  14. スタートアップ・大学における知財の戦略強化;「国際特許」出願支援の強化。「共有特許ルール」の見直し。大学の制限撤廃(株・新株予約権の取得)等


(付加価値創造とオープンイノベ)

  1. 私的整理法制』;中小は経営者の退任を原則としない
  2. 税制等;S投資・M&A促進税制。来夏までに「公募増資ルール(一年以内のM&A等)」の見直し
  3. 企業経営改革(マークアップ率向上・国際競争力向上);新興国企業との連携、逆輸入(リバースイノベ)
  4. 長期的視点で投資可の企業環境整備;企業の三百二十兆円の現預金を活用
  5. ディープテック系Sとのオープンイノベ促進

経済社会の多極集中化


(一極集中管理の仮想空間から多極化された仮想空間へ)

  1. ネットにおける新たな信頼の枠組みの構築;「トラステッド・ウェブ」の実現
  2. Web3.0;ブロックチェーン技術を基盤とする「NFT(非代替性トークン)」「DAO(分散型自律組織)」等
  3. コンテンツの利用拡大;メタバース、著作物の利用許諾の簡素化。来常会にて
  4. Fintech;「デジタル証券(セキュリティトークン)」での資金調達機会をPTSへ拡大

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