京大・柴田悠 准教の『少子化反転プラン=十兆円』|第三回「子ども政策強化会議」

【社会考察】 令和五年二月二十日に第三回『子ども政策の強化に関する関係府省会議』にて「京大院」人間・環境学研究科の柴田悠(戊午)准教授は、同十二年までに「希望出生率=約一.八」の実現プランを指し示した(既報)。


同二十二年までに「人口置換水準二.〇六」への到達も指し示し、少子化反転を諦めていない。


柴田准教は氷河期世代。手始めに今から後三年で、少子化対策の予算を六.一兆円を追加する必要性を訴えた。今国会の予算委でも『子ども・子育て予算』の倍増で紛糾した(最下部動画)。氷河期世代以降は、日本の未来を必ず担う世代。未来は氷河期世代以降が決める。




<打開策>

 柴田准教の試算では、同七年が転換点。同年から「若年人口」が更に急減していく計算だ。よって、若者・若手へ以下の二点の即時策=六.一兆円を、「新しい資本主義(≒合本主義≒公益資本主義)」に併せて岸田総理(丁酉)へ提示した。


  1. 児童手当学費軽減
  2. 保育の質改善・定員拡大
  3. 雇用の安定と賃金の上昇:新しい資本主義


これらにより、「希望出生率=約一.八」と「人口置換水準=二.〇六」を望めると言う。何もしなければ、二十二世紀には高齢化率=四割」で定常化。上記を実行すれば、「同=三割」で定常化できると言う。何もしなければ、子ども・孫の世代では更に一割増の国民負担が定常化する。



二十代が激減

 具体的には、同十二年頃から「二十代人口」が、報道現在の倍の速度で急減していく。


新たな制度(例:増額版の児童手当や学費軽減等)の持続性が若者・若手から信頼され、子どもを持ちたい若者・若手が「これなら結婚・出産・育児できる。」と思える様になるまで五年掛かると仮定している。従って、同七年頃までに制度改善が必要という訳だ。


以下が、少子化対策の前提としての「育ち保障一.七兆円」。

  1. 妊婦・親を孤立させない「妊娠期からの伴走型支援」;専門人材による定期的家庭訪問、親が休む為の一時保育、あらゆる特性の子どもが幸せに生きていける環境の整備等(予算規模不明)
  2. 〇~二歳児保育利用の「就労要件」の撤廃;虐待予防・発達支援
  3. 「保育士・幼稚園教諭等賃金」を全産業平均に(一.〇兆円)
  4. 「保育士配置基準」を先進諸国平均に(〇.七兆円)


以下が、少子化対策の「短期策七.一~八.〇兆円」と「長期策」の試算条件。

  1. 各政策について、「出生率への効果」を試算できる研究や分析がある場合は、それを試算に使用。 その様な研究や分析が無い場合は、「?」と記載し、試算には不使用
  2. 短期策(同七年頃までの制度改善)によって「希望出生率=一.八」を実現
  3. 長期策によって同二十二年までに「人口置換水準=二.〇六」へ到達



国債「六十年償還ルール」

 以上より、合計の追加年間予算=「八.八~九.七兆円」。「家族関係 社会支出十.七兆円(国+地方、同二年度)」を倍増させるなら、カバーできるとした。


他にも、国債「六十年償還ルール(最下部参照)を撤廃し、国際標準に合わせれば、毎年十七兆円まで捻出できる。しかしながら今国会の予算案では、財務官僚に配慮した自民党(総裁:岸田文雄)と公明党(代表:山口那津男)により、ルール変更・撤廃は実現できなかった。


ルール変更で予算案の組み替えを望んだのは、国民民主党(代表:玉木雄一郎)だけだった。



氷河期世代以降は、逃げられないどころか、今まで通りの政治不参加ならば、負担が増していくだけの人生である事を知っておかねばならない。今、若者・若手が苦しい理由の一つに、政治へ不参加がある事は揺るがない事実。


記事:金剛正臣

画像:柴田 悠 (しばた はるか)准教授/京都大学、柴田悠氏御発表資料/内閣官房

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