岸田内閣がトリプル増税へ、会議で「国債発行案」は出ず|第四回『子ども未来戦略会議』

【教育報道】 岸田総理(丁酉)は、令和五年五月二十二日に総理大臣官邸にて第四回『子ども未来戦略会議』を開催した。


会議後に「大前提として、少子化対策財源確保の為の消費税を含めた“新たな税負担”については考えておりません。」と明言したが、二十四日に読売新聞等が社会保険料を引上げて財源とする「支援金制度(仮)」の創設を報じた。


簿記会計上、社保料の引上げは「国民所得の減」となるので実質的な増税となる。これで第二次岸田内閣は、「防衛増税(所得税の増税)」「インボイス制度(零細企業からの所得税の徴収)」「少子化対策(社保料の引上げ)」のトリプル増税へ向かい、歴史に名を残す事になる。




<各構成員の財源論>

 岸田総理は、自著「岸田ビジョン」にて分厚い中間層の復活を掲げており、本会議後にも「(令和十二年までの)少子化対策のラストチャンスを逃さない事。」と述べた。


では二十四日の社保料の引上げを固める前の本会議にて、国民を代弁するべき各構成員は、何を岸田総理へ伝えたか?


「異次元の少子化対策」は氷河期世代・プレッシャ世代・ゆとり世代・脱ゆとり世代以降に大きく関わる。依って本稿では、通常の干支ではなく、世代名を記す。括弧内。どの世代が子ども・若者・若手の未来を決定しようとしているのか?


  1. 「全国知事会」平井伸治(しらけ)会長・「全国市長会」立谷秀清(しらけ)会長・「全国町村会」荒木泰臣(焼け跡)会長;広く負担していく 新たな枠組みを含め、財源の安定確保に向けて、国の責任において幅広く検討する事
  2. NPO法人「子育てひろば全国連絡協議会」奥山千鶴子(しらけ)理事長;高齢者にも応能負担をお願いし…企業負担もお願いしつつ、社会全体が連帯して財源を確保しなければ、若者達は将来に夢が描けない
  3. 「日商」小林健(団塊)会頭;一律・大幅な現金給付よりも、現物・サービス給付の拡充による負担軽減を。一般会計において、優先度高く必要予算を確保するべき。社会保障給付を含む徹底的な歳出改革地方や中小企業の活力向上による経済成長の果実としての歳入増を基本
  4. 「経営共創基盤G」冨山和彦(しらけ)会長;企業と個人、全世代に亘って広く負担を分かち合うべき。税財源にせよ、社会保険財源にせよ、企業と個人、全世代が幅広く負担する仕組みとすべき
  5. NPO法人「manma」新居日南恵(ゆとり)理事;高齢者も含む全世代、企業も含む社会全体で財源を確保
  6. 「連合」芳野友子(バブル)会長;費用を賄う財源を国民が広く負担し合っていくとの考え方に立ち、税や財政の見直し等、幅広い財源確保策を検討すべき
  7. 「慶大」権丈善一(しらけ)教授;税を用いる事を費用負担者達と事前に契約しておく
  8. 「ジーンクエスト」高橋祥子(ゆとり)取締役;企業にも一部負担を求める事に、私は経営者としても賛成。少子化対策に協力的な企業には是非負担率において優遇を。協力的でない企業には負担率を重くして頂きたい



子育て世代の意見=少

 今回の構成員の世代としては、「しらけ世代」が半数。子育て世代の当事者は「ゆとり世代」の女性が二名。絶対ボリュームの「氷河期世代」と「プレッシャ世代」は〇名。そのゆとり世代の女性も財政に明るいとは言い難い。


何よりも、構成員の誰からも「国債発行」の提示が無かった。


これは財政学上、異常である。国債発行は基本的な選択肢である。その基本を一人も総理へ提示しない。多数は「幅広く負担する」類であった。この場合の選択肢は「消費税」か「社保費」となる。そして名目的な増税を避ける為、二十四日の実質的な増税「社保費の引上げ」報道となった。


報道府は、国民民主党(代表:玉木雄一郎)に同じ『教育国債』を財源として提示している。


議事要旨

 財源に係る発言を報じる。以下は誰が発言したかは不明。


  • 社会保険の仕組みを視野に入れるのは十分に在り得るのではないか?
  • 不足する財源は、国民の理解が得られる形で賄うべき
  • 企業も含めて社会全体で広く負担していくことを基本とすべき
  • 徹底した歳出改革が大前提。特に、医療・介護分野について
  • 社会保険料在りきではなく、税制を含めた様々な財源のベストミックスを考えるべき
  • 費用を国民が広く負担していくとの考え方が重要


記事:金剛正臣

画像:総理大臣官邸、FPhime

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