【政治報道】 立憲・枝野幸男(庚辰)代表は、令和二年五月二十九日に国会内で記者会見を開き、私案『支え合う社会へ―ポストコロナ社会と政治のあり方(「命と暮らしを守る政権構想」)』を発表した。同党内では議論を経ずに発表した。
枝野代表は冒頭で「新型コロナウイルス感染症と、その影響による社会経済的危機への対応は、ここからが正念場だと考えております。」と述べた。
今回の私案は理念であり、「自公政権に代わる新しい政権、命と暮らしを守る政権の政権構想に向けた取りまとめに対する出発点である。」と主張。具体的な政策は、他の野党と協力して練り上げていく。第一野党の党首は、政権交代の際に首班(首相)と成り得る。その点を意識しての私案だ。次の『衆院選(総選挙)』は、任期満了となる三年十月までに実施の見込み。
<行政強化・自己責任論の否定>
私案は下記の三つに分けた。
- 新・自由主義的社会;社会経済という側面での脆弱さ
- 小さ過ぎる行政;政治行政における脆弱さ
- postコロナの理念;社会の在り方という本質においての問題点
一ではケア サービス(医療・介護・保育・障がい福祉)・社会的弱者(非正規等)・効率性重視の三つの脆さを挙げた。併せて、withコロナ下での食料やエネルギ不足の問題も指摘した。
二は行政であり、政府ではない。現状の政府は財政規模の面で「小さ過ぎる」という表現は合わない。「問題は財政規模ではなく、形式を問わず、公の業務を担う機関や人が小さく少な過ぎて脆弱であるという事であります。」と説明。武漢肺炎によって行政の人員不足が露呈し、司令塔(指揮系統)が曖昧で、情報集約・事務処理の能力が欠けていた点を指摘した。
三では支え合いの重要性・自己責任論の限界・再分配の必要性の三つを説いた。特に自己責任論に関しては、会見で「競争と効率性が煽られる状況」「空理空論」「実は正しくない」と批判。再分配については、リスクの違いやコスト負担の違いに応じて、リスク・コストを再分配する点(財政構造の変革)を話した。
左派は再起できるか
以上より右派寄りの自公政府に代わる左派政府は、「互いに支え合う社会」「未来志向型の分散経済」「信頼できる機能する政府」を目指す。枝野代表は他の左派・野党と「幅広く議論したい。多様な形で様々なご意見を頂きたい。」と述べた。右派は資本主義、左派は社会主義。左派の役割は主に労働者を代弁、労働者の利益追求する事。
現下の医療体制について「当面、求められているのは現物給付が脆弱化している。現物給付、サービスをしっかりと安心して充実させたものを如何に量的に安定的に確保するのか、その事が政治の役割。」と強調した。現金給付については触れなかった。
この発表後の六月三日には、立憲と国民(代表:玉木雄一郎)の合流論が再浮上した。
画像:立憲民主党
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