【社会考察】 令和二年八月九日に情報メディア「ここぶろ。/SNAPLACE」は、調査『世代間対立について』を実施して「@DIME」にて公開した。サンプル数は三百人で、統計的に有意とは言い難く、参考資料となる。
二十代・三十代・四十代・五十代の四世代で調査を行い、各世代の嫌いな世代を聞いた。先ず、全体として嫌いな世代が「ある(いる)」と答えたのは六割。最も嫌われている世代は六十代となった。次点の五十代の二割に対し、六十代は三割。なんと五・六十代で過半を占めた。令和二年時点で「バブル世代」「しらけ世代」「団塊世代」「焼け跡世代」が、相当に嫌われている。
一方で、十代も一割強が嫌われていた。
世代別に視ると、六十代以上を嫌っている世代の順番は「五十代」「二十代」「四十代」「三十代」。十代を嫌っている順番は「三十代」「四十代」「二十代」「五十代」だった。
他の五十代は「二十代」と「五十代」が特に嫌っており、四十代は同じ「四十代」が一番嫌っている。三十代は「五十代」が一番で、二十代は「三十代」と「四十代」が嫌っていた。
十代と六十代のサンプルが無く、不平等感は否めない。だが同世代も含めて「バブル世代」「しらけ世代」「団塊世代」「焼け跡世代」が過半も嫌われている事が判明した点は大きい。「バブル世代」の下は「氷河期世代」「プレッシャ世代」と「ゆとり世代」だが、この線引きは、ITリテラシと多様性に関連している様にも思われる。
所謂、前時代的な発想・技術が「バブル世代」以上、という事でもあるのだろう。
全世代から好かれる様にする事は賢い選択とは言えないが、若手(「氷河期世代」以下)に嫌われて生きていく事は避けた方が良い。現在は第四革命中で、コロナ禍の影響によって、働き方(価値観)が大幅に変わっていっている最中。ロボ・AIの第四革命後には、ITリテラシと多様性が欠かせない。
今回の持続化給付金のオンライン申請等で分かる通り、若手に嫌われると、生きるに差が生まれてしまう。就職・就業・行政手続きには、ITリテラシ必須の時代が令和時代。多様な価値観で情報を共有しながら、物事を進めていく時代が令和時代。
実感があろうが、なかろうが、既に日本社会の主力は中堅・シニアから若手に代わってきているのだ。
だから、第四革命と云う。正に、明治維新の様にゆるやかな革命が起きている(実際の明治維新では国体としての天皇制は代わっていないので、狭義の革命ではないが、執行主体が幕府から政府に代わったので広義の革命)。明治維新も二・三十代が日本を変えた。明治から百五十年が経ち、令和時代も二・三十代が変える事は歴史的必定。
<中間(バッファ)層が主力の核>
調査結果によれば、四十代は大丈夫。二・三十代に然程、嫌われていない。ただ、第四革命下で主力の中核である三十代に「十代」と「二十代」が「六十代」以上に嫌われている点は、注意されたい。現・三十代は後期「氷河期世代」と「プレッシャ世代」及び初期「ゆとり世代」。古い世代と新しい世代の中間(バッファ)層とも捉えられる。ここだけ、他の世代とは様相が異なる調査の結果。
温故知新ができる中間層。昭和・平成の両時代で決められてきた各種定義を令和時代の各種定義として、この中間層が決めていく事になるだろう。詰まり、彼らは全て新しいものを善しとしない、という事。この中間層に十・二十代が嫌われてしまうと、前述した五・六十代の様に生きるに差が生まれてしまう。これは、所得較差の面で大きく表見するものとみられる。
人間、嫌われるよりは好かれた方が良い。八方美人の戦術よりは、力を有す(ないし有すと思われる)中間層に最注視しておいた方が良いかもしれない。未だ日本は革命中であるのだから。
そして、革命後には上下が逆転するもの。
記事:羽田野正法
画像:最も「嫌われている世代」は?世代間で存在する対立の理由と生の声/@DIME、FPhime
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