若者が救う観光地

【社会・人生考察】 日本の国土は三分の二(六十二㌫)が森林。木の国が日本だ。


日本の自然に触れているか。都会に住むと、それを忘れがちだ。都会に生まれ育ってしまうと、日本の三分の二を占める自然を体感できない。機会は自らつくるしかない。


今回は追加の取材で栃木・奥日光と静岡・富士山を訪れた。コロナ禍による観光地の現状を知る為だ。最初の日光の取材で気づいたのは、観光客の主体が若者であった点。観光客とみられる中堅・シニアは驚く程に少なかった。そして、観光地の町並みは五割以上も閉まっている印象があった。東武日光駅の周辺で異常さに気がついた。



<若手が主体の現状>

奥日光の「華厳の滝」も観光客の主体が若者・若手。華厳の滝と一体となっているお店以外の道路沿いは閉まっていた。中禅寺湖にも足を延ばしたが、入り口にある高さ十五㍍の「二荒山神社 中宮祠 大鳥居」周辺のお店だけ開いており、五十㍍先からは軒並み閉まっていた。開いていたお店もレストラン等の二階部分以上は閉め、縮小して営業。若手以外に少しだけ中堅がいた。レストランでは男女の外国人観光客が一組いた。

※写真上は「いろは坂」。


 他方、富士山は五合目までの登山口へのルートが、ほぼ通行止め。コロナ禍の影響だ。富士宮ルート「富士山スカイライン」からは二合目までしか行けなかった。途中、食事をするお店に入ったが、若い男女の一組のみ。近くの「山宮浅間神社」は富士山が祭神。ここでは親子と思われる観光客がいた。


富士山を望む富士宮の温泉・宿泊施設では、域内の団体観光客を垣間見た。温泉内を確認しても、地元民とみられるシニアが多かった。


但し、東北道・新東名のPAは盛況であった。家族が主体とみられ、若者以外にもシニアを多数散見した。


地方・観光地を支えているのはシニア

 二つのエリアであるが足を運び、取材をした感想は書き入れ時の夏季で斯様な状態であれば、冬季は疎か、数年間も観光地は経営が持たないだろう。お店を占めていても固定資産税等は掛る。非・緊急事態宣言下にもかかわらず。


日本の観光地は実質、地元のシニアで保っている。シニアは新型肺炎での致死率が高い。だが若手の我々にも積極的に距離を詰め、商品の説明や観光の手ほどきをしてくれた。できるだけ多くの商品を買った。


 シニアが支える観光地のお店は、畳むかどうかの瀬戸際。収束が見えない時の主力の観光客は若者、という事実。その若者を攻撃し続ければ、地方・観光地のシニアが倒れてしまう。今、東京の若者は大人しく自粛しているだろう。だが、それを続ければ地方のシニアが病死の前に経済死しそうだ。令和二年版「観光白書/観光庁」によれば、訪日外国人の旅行者数は四月で九十九.九㌫減。国内旅行の消費額は三月で五十三.一㌫減。共に前年同月比


一度、廃れれば、再興がどれだけ難しいかは、バブル崩壊を経験した中堅・シニアなら分かる筈だ。このままでは日本の観光地が軒並み廃れてしまう。特に都会人の人生の憩いの場を失ってしまう。


この行政の判断は、本当に正しいのだろうか。


若者も自粛を強いられ続けて、精神衛生に問題を来している。死ななくても良い若者が死を選ぶ。今こそ田舎の大自然、都会とは異なる地元民の温かみに触れた方が良いのではないか。全国知事会で、日本の大事な観光地を支えているシニア達にアンケートを取って欲しい。「観光自粛」か、「観光推奨」かを。観光地を支えてきてくれたシニア達の意見を尊重して欲しい。


撮影記事:金剛正臣

画像:一日で、富士山・浅間神社五社巡り観光白書/官公庁

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