新『衆議院』の若手率は十四.四㌫、ゆとり世代から初衆議

【政治・社会報道】 令和三年『衆院選』にて若者・若手は六十七議席を獲得し、衆院におけるシェアは十四.四一㌫となった。定数は四百六十五議席。ゆとり世代は二人が当選。初めて衆議を出す事に成功した。衆参合わせ、ゆとり世代の国会議員は計四人となった。


報道現在で若者・若手は氷河期世代後期・プレッシャ世代・ゆとり世代・脱ゆとり世代の四世代。


国会議員の力関係は「小選挙区>比例代表」。二百八十九議席ある小選挙区で若者・若手は三十九議席を獲得。若手率は十三.四九㌫。百七十六議席ある比例代表で二十八議席を獲得。十五.九一㌫。比例の方がやや当選し易い。


今回当選したゆとり世代の内、一人は小選挙区。東京から自民・土田慎(庚午)衆議が三十歳で勝ち取った(公示日現在)。比例で当選したゆとり世代は、立憲・馬場雄基(壬申)衆議と国民・鈴木敦(戊辰)衆議。南関東ブロックから三十二歳、東北ブロックから二十九歳で勝ち取った。参院唯一のゆとり世代は、公明・安江伸夫(丁卯)参議。愛知から三十二歳で勝ち取っていた。難易度は小選挙区の方が圧倒的に高い。土田衆議は、自民「志公会」山東昭子(壬午)参院議長が育てた。



以下は、衆院選で若者・若手が当選したエリア別ランク。

  1. 北関東近畿;十一人
  2. 東京;九人
  3. 東海、九州;七人
  4. 南関東;六人
  5. 東北;五人
  6. 北陸信越、中国;四人
  7. 北海道;三人
  8. 四国;〇人


Aランクの北関東、近畿と東京から若者・若手は立候補した方が良さそうだ。Bランクは東海、九州、南関東、東北。Cランクの北陸信越、中国、北海道では特に苦戦を強いられそうだ。Dランクの四国は論外。文句はそのエリアの中堅・シニアへ。


自身が住まうエリアに代弁者である国会議員がいるか、否かは大きい。基本的には「国会議員(衆>参)>都道府県議>市区町村議」となる。年齢は関係ない。当選回数がモノを言う。例えば豊洲がある東京・江東区では、当時若手だった衆議が二人もいた。だから発展を続けた。上記のランク分けは、そのまま若者・若手が住み易い(子育てし易い)順位とも言える。




<若者・若手は三人に一人が当選>

 また今回立候補した若者・若手の人数は、百九十七人だった。単純に三十四.〇㌫の確率で当選。立候補すれば、三人に一人が国会議員に成れる。現在の日本は若者・若手が非常に当選し易い環境である。


平成八年に導入した「小選挙区 比例代表並立制」以降、今回で九回目の衆院選だったが、立候補した二十代・三十代(ゆとり世代)の割合は九.四㌫で初めて一割を切った。二十代・三十代が最も少ない国政選挙だった。


従って、絶対的ボリューム数が他世代を凌駕するにも関わらず、ゆとり世代の意見は反映され難い。三権(司法・立法・行政)において消極姿勢を採用してはならない。これが法治国家の原則である。



妥当性の高いエリアはどこか

 参考の為に各都道府県の立候補した若手率のランクを再掲する(既報分)。前述のAランクは太字。下線は希望の薄い一割未満。


  1. 大分(四十四.四四㌫)
  2. 宮崎(三十三.三三㌫)
  3. 長崎(三十.七七㌫)
  4. 山形、群馬(二十八.五七㌫)
  5. 滋賀(二十七.七㌫)
  6. 茨城(二十六.三二㌫)
  7. 宮城(二十五.五三㌫)
  8. 岩手、栃木埼玉、長野、富山、鳥取(二十五.〇〇㌫)
  9. 東京(二十二.九一㌫)
  10. 静岡(二十一.七四㌫)
  11. 福島、石川、奈良、三重、岡山、熊本(二十.〇〇㌫)
  12. 大阪(十九.四〇㌫)
  13. 北海道、岐阜(十八.七五㌫)
  14. 神奈川(十七.六五㌫)
  15. 愛知(十七.〇七㌫)
  16. 秋田、山梨、広島、島根(十六.六七㌫)
  17. 兵庫(十五.七九㌫)
  18. 高知、福岡(十四.二九㌫)
  19. 青森(十二.五㌫)
  20. 和歌山、鹿児島(十㌫)
  21. 沖縄(九.九㌫)
  22. 千葉(五.一三㌫)
  23. 京都(五㌫)
  24. 福井、山口、徳島、香川、愛媛、佐賀(〇㌫)


近畿は注意が必要だ。北関東と東京と比べて近畿の小選挙区では当選し難い。滋賀・京都・奈良・和歌山で若者・若手は一人も当選してない。殆どが比例である。



脱ゆとり世代のターン迫る

 併せて、立候補できるか否かは、そのエリアの陣営側が判断するものだが、当選するか否かは、そのエリアの主権者側(無権利者を含む)が決める事。このエリア性(土地柄)二点が一致してないと、当選確率が下がる。九州勢はそもそも球数が多かったのでBランクとなった。陣営側も若者・若手を推し、地元の主権者側も若者・若手に投票した。


近畿各県は陣営側が若者・若手をまるで推してないが、地元の主権者側が異なるかも知れない。大阪が好例であろう。「プロダクトアウト」の発想だけではなく、「マーケットイン」の発想も必要である。その為には経営学を理解している若者・若手が陣営側に居なければ、現在の選挙におけるSNS戦略・戦術も覚束ない。


そして若者・若手の意見がバランス良く通る為には、代弁者且つ当事者が国会内で三割は欲しい所。今回は十四㌫なので、後倍である。届かない数字ではない。報道府は若者・若手の国会議員を倍増させる為に、地道に切磋琢磨していく。


今回の最年少立候補者は二十五歳の脱ゆとり世代。政界デビューだ。再来年の『統一地方選』は、自身達の意見を反映させる為に脱ゆとり世代達が政界デビューするだろう。次の第五十回『衆院選』から脱ゆとり世代が本格的に国政デビューする。上図はハイムのユーザ層。


何にせよ、ゆとり世代から衆議が初めて出た。おめでとう。


記事:金剛正臣 画像:FPhime、Google

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